その土地本来の植生という意味
戦後、急速な開発で日本列島は傷だらけといわれましたが、むき出しになった地肌・斜面を何とか早く緑化しようと、さまざまな試みがなされました。
生きた構築材料を使っての緑づくりは、鉄・セメント・石油化学製品などの死んだ材料を使っての人工構造物と本質的に異なります。
その発達には多少の時間がかかるのを避けることができません。
生物的な時間を無視して道路が開通する時、また住宅が出来た時に、道路ぞいや住宅を取り囲んでいる傷ついた裸地の斜面を、生きた構築材料、即ち植生を使って緑化しようとすることがあります。
いろいろと非生物的な材料と同じ考え方が試みられ、外国の牧草が導入されました。
ウィーピング・ラブグラス、イタリアン・ライグラスなどのハイカラな名前のついている外国産の牧草は、化学肥料をまぶして斜面に吹きつければ裸地に急速に生育します。
たしかに、よそ者の草種は長い間それぞれの場所で人工的な努力も含めて品種改良が進んでいるので、発芽率はほとんど100パーセント近いのです。
同時に、さまざまな化学肥料とまぜ合わせたふきつけ牧草などは急速に発芽し、その斜面を緑に見せます。
イタリアン・ライグラスなどはあっという間に80センチ、あるいは1メートル近く生長して、それが斜面の下方にたれて裸地を被います。
見かけ上は急速に緑になるのです。