植物の均衡状態とその回復 3
日本において外国から導入した牧草を栽培するためには何が必要でしょうか。
その土地本来の自生の放牧牧野のシバ草地、1年ないし4年に1回、刈ったり焼いたりする粗放な人為的干渉と共存して持続しているカヤ野原・・・
すなわち、関東のアズマネザサ-ススキ草原、関西のネザサ-ススキ草原などでは、まずブルドーザーで開墾し、あるいはクワで掘りおこして完全に整地し、その上で石灰窒素や硫酸アンモニア(硫安)などの窒素性の化学肥料を十分に施肥しながら人工的に播種する必要があります。
整地して播かれたカモガヤなどのヨーロッパの有用牧草は、十分に草が伸び、家畜の飼料として収穫出来るようになるまでには2年ないし3年かかります。
6年目ぐらいまではきわめて多くの有用牧草を生産します。
しかし、7、8年たつと、だんだんと外来草種は成長度がおとろえ、そして収量もおちてきます。
したがって、日本で外国の牧草を栽培するためには、結果的には7、8年に1回はブルドーザーで再びおこして耕し、新しい種子をまかない限り、人工草地・牧野として存続させることが困難なのです。
これが、その土地本来の種類による牧野形成と、外国の固有の風土の中で長い時間をかけて、一定の人間の影響とつり合って成立した牧草を安直に導入して栽培する移入草種による場合との基本的な違いなのです。